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ニューヨークではしかが猛威を振るっている。ビル・デブラシオ市長は9日、ブルックリン区の一部に公衆衛生の非常事態を宣言し、対象地域に住み、感染する可能性がある人に予防接種を義務付け、従わなければ罰金を科すと発表した。
ニューヨークタイムズは9日、流行の背景の1つとして、超正統派ユダヤ教信者の中にまん延する「迷信」があると指摘、同コミュニティーの保護者の間に出回る「予防接種安全ハンドブック」の存在を紹介している。記事によるとこの冊子には「予防接種は自閉症を引き起こす」「中絶した胎児の細胞を含む」など医学的根拠のない情報が記載され、「予防接種ほど公衆衛生に危害を及ぼすものはない」と結論付けている。冊子の発行団体の編集者、モイシェ・カハーンさんは同紙の取材に「予防接種はサル、ネズミ、ブタのDNAを含有する」と述べた。
同紙によると、動物の細胞を培養したワクチンは多くあるが、高度に浄化されており人体に問題はない。著名なユダヤ教指導者やジャーナリストは、予防接種は戒律にのっとっているとして受けることを推奨しているが、これを拒むユダヤ系米国人は依然として少なくないという。反予防接種の動きは他州のユダヤ教コミュニティーの一部にも広がっている。
予防接種を推奨するユダヤ教指導者らが同紙に語ったところによると、ニューヨークの超正統派コミュニティーにおける「反予防接種運動」は明確な指導者を持たず、草の根活動を通じて広がった。運動を助長した背景には、インターネットへのアクセスが制限されていたこと、厳密な科学的研究が行われてこなかったことなどが挙げられるという。
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